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マーラーのおすすめ名曲 |
マーラー : 交響曲第1番ニ長調 「巨人」
小澤征爾(指揮), ボストン交響楽団
そもそも、この曲のタイトルにマーラーが「巨人」という名前をつけたのは、少し以前に愛読していたジャン・パウルの小説「巨人」(Titan)に由来している。
もちろん、この曲と小説の「巨人」の間には直接的な関係は無い。
ところで、このアルバムでは小澤征爾=ボストン交響楽団が端正な「巨人」を演奏している。
この曲の第1楽章は朝があけるように静かに、静か(本当に静かに!! あれ?ボリュームは間違っていないよね?と思ってしまうほど))に始まる。
マーラーらしい「かっこう」の声も聞こえてくる(もちろん本物ではない)。
これとは対照的に最終楽章では「嵐のように激動して」終わる。
この曲でもトランペットが華やかにファンファーレを歌い上げるところが何回も出てくるので、僕のお気に入りです。
ボストン交響楽団の金管の音色は好きなんだよね。(弦もいいけれど。)
さ、マーラーを聴いて、この暑さを乗り越えよう!
● マ−ラ−:交響曲第1番ニ長調「巨人」 / 小澤征爾
●マーラー : 交響曲第1番ニ長調 「巨人」
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『ベニスに死す』マーラー:交響曲第5番
小澤征爾 (指揮), ボストン交響楽団 (演奏)
出だしは、いきなりトランペットのソロ。それも葬送行進曲だ。
小澤=ボストン交響楽団では、この出だしから、熱気が最高潮に達している。
第4楽章は叙情的で、どこか退廃的な楽章で、ヴィスコンティ監督の映画『ベニスに死す』に用いられて注目された。
そもそも、原作者トーマス・マンは主人公をマーラーとして想定したというが、映画でも音楽家として登場させている。
マーラーは指揮者としてまず名声を得るが、作曲家としては、長く低迷していた。
しかし、彼は「やがて、私の時代が来る」と強がりを言ったりもしていたらしい(いかにも『芸術家』だ)。
20世紀の後半になって、マーラーブームが来たので、彼の予言も当たっていたわけだ。
マーラーの曲は、どれも明るさの中に暗さがあり、いつも「死」を感じさせずにはいられない。
彼の人生や思想には、きっとつねに「死」があったかもしれない。
同時に、「力強さ」もある。
明るさの中に暗さや死があるけれど、パワフル、という夏にはうってつけの曲だ。
小澤=ボストン交響楽団は、この手の大曲をやったら右に出るものはいない。
このマーラーの交響曲第5番でも、その能力をいかんなく発揮している。
8月のヒロシマやナガサキ、アメリカ、ニホンを思いながらこの名曲、名演奏を聴いてみよう。
そこには、人間の愚かさが垣間見られる。
しかし、同時に、諦めてはいけない、というメッセージも含まれている。
●マーラー:交響曲第5番
●マーラー:交響曲第5番
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